2024年11月12日に登場したまねきねこのオリジナルカラオケ機種「E-bo」を使ってみました。
今回は結構長いです。長文注意!
E-boとは
カラオケアプリ「Pokekara」を提供している株式会社音娯時間エンターテインメントとまねきねこを運営している株式会社コシダカホールディングスが次世代カラオケルーム体験の提供に向けた共同研究の取り組みとして開発されたのがこのE-boだそうです。
2024年11月時点では一部のカラオケまねきねこに導入されていますが、将来的には全国のまねきねこへの導入や海外店舗への導入も検討しているとのこと。
ちなみに、E-boはエンタメボックスの略称だそうです。
まねきねこオリジナル機種は今回が初めてではありません。
まねきねこの機種を語るうえで外せないのが、2019年にサービス終了した「すきっと」の存在です。
当ブログでは実質E-boの前機種である「すきっと」に関しても記事にしていますのでそちらも是非。
正直、コシダカはこのすきっとで一度失敗しているのでコレに懲りてもうカラオケ機器は作らないだろうな...と思っていたのでE-boの登場には驚きました。
ただ今回はポケカラが大きく関わっていますので、すきっとの頃とは違い、曲数、デザイン、採点等がどれだけ改善されるのかを期待して今回利用しました。
E-boの特徴
E-boは公式サイトで3つの新しい機能を謳っています。
①歌ってポイントゲット
②ミッションに挑戦
③応援で盛り上がる
正直、これだけだとE-boを選ぶ理由が薄すぎないかという気もしますが、歌って手に入れたポイントはクーポンに引き換えられるそうですし、ミッションもランキング化すればDAMともユーザーやうたスキユーザーのようなコア層を取り入れられるかもしれませんね。
現在はこれらが新機能としてアピールされていますが、今後も多くの新機能が追加されるということです。
DAMやJOYSOUNDにはない面白い機能が追加されるといいのですがね。
本体周り
本体はすきっとと同様、ボリュームつまみや液晶パネルは無く、リセットボタンと保守用なのか分からないUSB端子だけという、シンプルなものとなっています。
アンプは内蔵されていないようなのでJOYSOUNDのAP-500が使われていました。
裏側も覗いてみます。
なんとHDMI出力が4つもついています。しかも4K出力にも対応しているようです。
コンポジット端子も無くなっています。時代ですねぇ。。。
すきっとの時は画質も不満だったのでここは期待できますね。
LAN端子もありますが、どうやら無線LANにも対応しているみたいで、この個体は無線LANで通信しているようです。
左側はマイク入力端子×2とオーディオ出力×2です。
選曲
選曲にはまねきねこアプリを使用します。
すきっとの時は専用のアプリがありましたが、まねきねこアプリに一本化されています。
まねきねこはフードやドリンクの注文もまねきねこアプリから可能なので1つのアプリで完結します。ここは良いと思いますね。
ただし、E-bo専用の選曲ナビは無く、スマホを持っていない子供や年配者は完全に見捨てられています。
すきっとの時は他機種との併設が多かったのでそちらを使えば良いだけの話でしたが、E-boは今のところ単体設置で考えているようです。
ここはどうなのだろうと思いましたが、敢えてターゲットを絞ることで配信する楽曲ジャンルを若年層に向けるとかそういった戦略が可能なので、楽曲数でDAMとJOYSOUNDに太刀打ちできない新参はこういったやり方でいいのかなとも思えます。
E-boとの接続はテレビ画面に表示されているQRコードをアプリで読み取るとすぐに接続が完了します。
選曲画面です。すきっとと比べてとても良くなりました。
レイアウトもすっきりしていますし、親しみやすいデザインになっていると思います。
以前のすきっとの記事でキー変更がDAMやJOYSOUNDと違う表記になっていたことに触れましたが、今機種から♯1、♭2表記になりました。ここは改善していただいて嬉しいです。
歌ってみる
曲を入れました。
これがE-boの予約リストです。
しっかりとデザインされてますし、アニメーションもあって一気に業務用感が増しました(笑)
すきっとの時はこれでしたからねw
これと比較するとこれだけでもかなり進化してるし、しっかり作り込んでいるんだなぁという気持ちになります。
予約リスト表示が終わるとすぐに演奏がかかります。
これがとても早くてビックリしました。また後ほど触れます。
そうそう、演奏中は常に右上にペアリング用のQRコードが表示されています。
ペアリングが外れてしまってもすぐに繋げることが出来ていいのですが、本体に液晶パネルがない分ちょっと不細工だなぁと感じてしまいます。
採点を入れて歌ってみます。
採点のバーは本当にポケカラそっくりです。開発も実質「音娯時間エンターテインメント」なのかなと。
DAMの精密採点と同じく、画面上にはビブラート、しゃくり、こぶし、フォールのカウンターが表示されており、明らかに意識してそうです。
ポケカラと同様、音程バーには正確率によってGreatやPerfectと表示されます。音ゲーみたい。
それはそれとして歌ってみた感想ですが、めちゃめちゃ歌いにくい...
リズムが取りづらいので今走ってるのかタメ気味なのかが分かりづらいです。
画面左下には曲の長さが表示されていて、どこまで歌ったのか、あとどれくらいなのかがすぐに分かるようになっています。DAMはJOYはタッチパネルからでないと見れないのでなんか新鮮。
採点結果画面です。
こちらもしっかりデザインされてますし、BGMも追加されたのでかなり良くなりました。BGMはポケカラと同じものです。(何故か音質がめっちゃ悪いのが気になるけど)
いつまで擦り続けるんだと怒られそうですが、すきっとは黒画面だったのでデザインも何もありませんでしたし、BGMもアニメーションも皆無でした。
すきっとから時代が30年くらい進んだ感じがしますw
そして実はE-boの採点は2ページ目も存在します。
リズム細かスギィ!なんと13段階もありますw
ここはなんとなくJOYSOUNDの分析採点をオマージュした感が伝わってきます。
採点に関しては左上に常に現在の点数が表示されるので面白いなぁという印象。
しかし、テクニックの検知等はまだまだで、ビブラートしたらこぶしが入ったりなど結構お粗末な感じでした。
採点なしでも歌ってみました。
分かりづらいですが、左上に次の曲が常に表示されてます。
歌唱時のデザインやレイアウトは全然悪くないのですが、一つ気になるのはテロップのフォント。
一見悪くなさそうに見えますが、なんというか中華フォント感みたいなのを感じるので、JOYSOUNDのようにUDフォントを採用するとより良くなると思いました。
変更するだけでだいぶ印象変わると思います。
機能
アイテム応援・コメント応援
アイテムやコメントを書き込んで画面に流すことが出来ます。
うたポイント
E-boで歌って手に入れたポイントをクーポンに交換できます。
背景映像設定
すきっとでは海外の映像が多かった印象ですが、国内の映像が圧倒的に多くなったと思います。
画質はDAMやJOYSOUNDと張れるくらい良くなってます。
演奏操作関係
マイクエフェクトやテロップサイズの変更が可能になりました。
E-boの良かった点
予約から演奏が早い(全体的にレスポンスが良い)
曲が入ってからの演奏も早いのですが、スマホアプリから予約ボタンを押した瞬間に予約されるので体感的にも早く感じます。
DAMとかJOYSOUND(特にJOYSOUND)はナビ端末から予約ボタンを押して少し時間が経ってから予約される印象があるので、尚更早く感じます。
Twitterで動画をUPしてる方がいたので引用させていただきますが、見ての通りです。
音無しですが
— こんにちはぁ (@Konnichiha_36) 2024年11月12日
E-boの選曲〜演奏開始〜採点画面です。#まねきねこ #イーボ https://t.co/pszWqEiul5 pic.twitter.com/kwGWLUWzmh
音量操作などももたつくこと無くレスポンスは良好でした。ここは評価できる点だと思います。
E-boの悪かった点
曲がない
これに尽きるかと思います。曲が少ないって書こうとしたんですが、少ないってレベルではありませんでした。致命的です。
私はアニソンをメインで歌うのですが、本当に無い。
キャラソンは勿論、声優曲も無い!!!!!
内田真礼と大橋彩香は0曲とか出てきたし、TRUEに関してはDREAM SOLISTERすら入っていないとは、、、
アニソンは無さすぎてジャンルから探したほうが曲見つけられますw
すきっとの方が曲あったよな...?と思うくらい曲がありません。
気になったので調べてみました。
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TRUE:すきっと→14曲 E-bo→2曲
TrySail:すきっと→9曲 E-bo→2曲
東山奈央:すきっと→3曲 E-bo→1曲
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ダメみたいですね...
すきっと時代が2万曲程度(ソース不明)という噂だったので、それが本当なら1万曲くらいしか入っていないのでは...
楽曲数はすきっと以下です\(^o^)/オワタ
エコーレベルが変えられない
リモコン画面にエコーの調整ボタンが無く、エコーレベルを変えられません。
流石に信じられないのでもしかしたら変えられるのかもしれませんが、ボタンが見当たりません。
別アプリを立ち上げるとすぐ接続が切れる
自分のスマホで操作するので当然ながら他のアプリも開くわけですが、まねきねこアプリに戻るとこの画面が出ます。
再接続を押せばすぐに繋がるのでいいのですが、一々ポップアップで表示しなくていいんですよね。戻ってきたら勝手に再接続するようにしていただきたいです。
本体にボリューム調整、演奏停止ボタンくらいは欲しい
やっぱり欲しいですね。
予約をして歌い初めてから暫くして、「やっぱり音量もうちょっと上げたいなぁ」とか思ったりするんですけど、自分のスマホなので歌いながらロック解除してリモコン開いて...の動作が中々手間です。
専用のナビ端末があればリモコン画面をずっと表示させとけばいいのですが、自分のスマホ画面を点けっぱなしで歌うのもなぁという感じ。ここは中々使ってみないとイメージが湧きにくいかもしれません。
本体にボリュームつまみがあれば多少動くのが面倒でもサクッと済ませられるのですけどね。
音が悪い
一部のJ-POPであればまだマシだったのですが、それこそアニソンとかだと音源が足りないのか原曲とはかけ離れた演奏をします。
「輝夜の城で踊りたい」なんかは前奏別曲みたいになってるし、
「God Knows...」はギターの音が全然聞こえず、ドラムの音ばかりが目立っています。(これはこれで面白いのだが)
スピーカーなどの環境によっても変わるのであまり掘り下げはしませんが、音質はすきっととあまり変わらないか、寧ろ曲によっては酷くなっているものまでありました。
J-POPとかアニソンを流してみた感想としては、割とマシなやつもあるものの酷いやつは本当に酷いという感じ。打ち込みの問題もありそうですけどね。
特に低音が気持ち悪い感じがしたので音源の改善を希望します、、、
バックコーラス部分のテロップが考えられていない
ボーカルとは別にバックコーラス部分の歌詞が流れる箇所がある場合、DAMやJOYSOUNDはワイプが無いバックコーラス向けのテロップが用意されていることが多いです。
E-boはどうやら通常のテロップしか無いようで、バックコーラス部分とメインボーカル部分のテロップが重なると、バックコーラス側のテロップが爆速で流れる現象が発生します。
曲が無さすぎて普段あまり歌わない曲を歌っていたということもあり、テロップが高速で流れた時思わず吹き出してしまいましたw*1
間奏が長くないと間奏前の歌い終わったテロップが残る
一例です。
「大暴走獰猛な鼓動を」までが1番で、下の「悲しい歌ほど好きだった」が2番になります。
この間10秒ほど間奏があるものの、間奏〇〇秒のテロップが表示されるわけでもなく、10秒ほどテロップがこの状態になるんですよね。
先に2番の歌い出しを出しておくのはまだいいのですが、歌い終わったテロップはすぐ消して欲しいところです。
映像コンテンツが無い
これはまだ出たばかりの機種なので仕方ない気もしますが、本人映像関連は全く見つけられませんでした。アニメ映像も含めこれから期待します。
総評
細かいことを出せばまだありますが、とても長くなってしまったのでこの辺りで。
UIやデザインはすきっとの反省からか、非常に改善されており、操作性はかなり向上しています。
しかしながら楽曲数の少なさは致命的ですし、エコーの調整は出来ない上にリズムが取りづらくて歌いづらいということで、現状これを多くの人に勧めるのは無理があります。
それでもすきっとの時とは違いコシダカも勢いがありますし、ポケカラと協力してまで一度失敗したカラオケ機器開発に取り組んだ姿勢は評価したいところです。UGAもサ終した今となってはカラオケのブランドも本当に2つだけになってしまいました。そんな中でE-boが第三の勢力となれば今後のカラオケ市場も面白くなるはずですし。
意外と作り込まれている印象があるので、これで楽曲数が20万曲くらい搭載されていたら案外戦えるのでは無いかと思ってしまいます。
現状、この機種オンリーでは厳しいと思うので、DAMやJOYSOUND両方に無い曲、或いはどちらかの機種にしか無い曲を中心に入曲していけば支持を得られるのではないでしょうか。勿論そうなるとDAMやJOYSOUNDとの2台設置の流れになってしまいますが。
今なら2時間無料クーポンも配信されてますし、近くに設置店舗がある方は期待せず時間潰しがてら利用してみてもいいかもしれません。
ここまで見て頂き、ありがとうございました。
るふとぷ評価
悪い:★★☆☆☆
※星1と悩んだけど期待も込めて
E-bo設置店舗
筆者Twitter
*1:
「夏色えがおで1,2,Jump!」の(キラキラキラってまぶしい気分 キラキラキラリ落ちるアセに キラキラキラって輝くユメ)が該当箇所