カラオケボックスに行くと毎回聞かれるのが店員さんからの「DAMとJOYSOUNDどちらにしますか」だと思います。
カラオケによく行く方であれば「私はDAM派!」「俺はJOYSOUND派!」などあると思いますが、今回はその違いについて詳しく解説していこうと思います。
なお、こちらの記事は以前公開した記事と類似していますが、新機種であるJOYSOUND X1の発売もありますし、年も変わったということで2024年版と題して改めて執筆しようと思った次第です。
半年前に書いた記事はこちら
前回の記事では自分の好き勝手書いた感じでしたが、今回の記事はカラオケに詳しくない方でもわかりやすいようになるべく簡潔に説明しようと思います。
ただ、書いていることは以前の記事とほぼ同じなのでご了承ください。(画像等も流用しています)
はじめに
カラオケの機種というとDAMとJOYSOUNDが思い浮かぶ方が多いと思いますが、現在はこの2つブランドしかありません。
DAMは第一興商、JOYSOUNDはエクシングというメーカーが手掛けています。
一方「エクシング」は知名度が低いですが、エクシングはミシンやプリンターで有名なブラザー工業のグループ会社ということもあまり知られていません。
以前はジャイアンのCMでお馴染みだったUGAやゲームメーカーであるSEGAやTAITO、オーディオメーカーだったパイオニアなどがカラオケ機器を出していましたが、それらの殆どがエクシングに買収されています。
DAMの特徴
この機種は2019年に発売されたLIVE DAM Aiのマイナーチェンジモデルとなっており、LIVE DAM AiとLIVE DAM AiRの機能の差は無いと言って良いでしょう。
LIVE DAM Aiシリーズの収容曲数は約32.5万曲です。
映像コンテンツが多い
DAMの一番のウリは本人映像やアニメ映像の多さにあると私は思っています。
選曲するとき「これ映像あるのか」と驚かされる場面も少なくありません。
ここ最近の深夜アニメのアニソンをよく歌う方は特に感じると思いますが、他社とは比にならないくらいアニメ映像が多いです。
映像を重視する方はDAMを選んでおくと間違いないと言いたいですが、独占配信もあったりするので簡単にまとめられません。
採点コンテンツが高精度
最新機種であるLIVE DAM Aiシリーズには精密採点Aiというカラオケ採点にAiを取り入れた採点ゲームが搭載されています。
一昔前のカラオケ採点や他社のカラオケ採点だと音程ばかりが重視されて棒読み歌唱であるほど高得点になってしまうケースが多かったのですが、精密採点Aiでは非常に多くの採点項目があり、棒読みで歌うと高得点が出にくいなどより人が採点した点数に近いものになりました。
演奏が原曲に近い
難しい話になってしまいますが、カラオケの演奏というのは「生音」「生演奏」「プロオケ」などを除いて全てMIDIと呼ばれるデータから演奏されています。
ですので、都度都度スタジオで録音したものをカラオケで流してるわけではないのですが、DAMでは音を鳴らす音源ボードと呼ばれている製品にはYAMAHA製のものが使用されています。
これは昔から長いこと使われているものであり、カラオケのMIDIデータを打ち込む際も同様の音源が使用されているものと推測されます。
JOYSOUNDの場合はフルモデルチェンジの新機種が出るたびに音源が変わることが多く、昔の曲を歌おうとすると新しい音源に関して考慮されていないせいか以前の機種では音が変わってしまうことがあります。これに加え、JOYSOUNDの音源というのは比較的フラットな音質となっており、DAMと比べ音のメリハリが弱くどうしても薄っぺらい音に聞こえてしまいます。
この二点が「DAMの方が音がいい」「JOYSOUNDの音は好きじゃない」と言われる要因だと筆者は考えています。
マイクを使った音声操作が可能
LIVE DAM Aiシリーズからマイクを使った音声操作ができるようになりました。
例えば...(OK DAMの後に)
予約時▶「米津玄師のLemon入れて」
演奏中止したい時▶「演奏中止 DAM」
キーを上げたい時▶「キー上げてDAM」
このように呼びかけることによって操作できます。
OK,GoogleやHey,Siriをイメージしていただければわかりやすいと思います。
DAMのイマイチポイント
ガイドメロディが小さい
昔から音が小さく、うろ覚えの曲を歌おうとすると苦労するかもしれません。
ガイドメロディ音量を最大にしても全然聞こえません。
マイクの返りがあまり良くない
環境にもよりますが、他社と比べてマイク音量を上げてもスピーカーから自分の声があまり通りません。ここは歌いやすさや歌ってる最中の気持ちよさに大きく影響してきます。
第一興商もそこを理解しているのか、WITM-500というDAM純正マイクには「音質ブーストスイッチ」が搭載されています。
以下の動画にて、ONにすると音にブーストがかかり、スピーカーから出る自分の声が聞きやすくなると紹介されています。
そのため、このマイクで歌うと声の返りの悪さを感じないようなものになっています。
ボーカロイド楽曲やマイナー曲に弱い
収容楽曲32.5万曲を誇るLIVE DAM Aiですが、まだボカロやマイナー曲には弱い印象です。特にボカロをメインで歌う方はJOYSOUNDを指名した方が良いでしょう。
その他の特徴(DAM)
- 曲によって演奏開始時の曲名フォントが異なる
- LIVE DAM Aiシリーズは予約から演奏開始までが非常に速い
- バックコーラス対応曲が非常に多い
- ライブサウンドは多くの会場を用意
- MCがアーティストと対談する番組「DAM CHANNEL」を曲間映像にて放映中
- 音はドンシャリ
DAMの歴代機種
JOYSOUNDの特徴
2024年現在の最新機種はJOYSOUND X1です。
4年ぶりのフルモデルチェンジであり、前機種のJOYSOUND MAX GOとはデザインが変わりました。
JOYSOUND X1の収容曲数は約35.5万曲です。
総楽曲数が多い
JOYSOUNDは「圧倒的曲数No.1」を謳っており、競合するDAMより約3万曲多く配信されています。
DAMの説明でも述べましたが、ボーカロイド曲やマイナー曲に強い傾向があり、一定の層から根強い人気があります。
キー変更に強い
DAMと比べキーを変えた際の音質の劣化が小さく、違和感を感じることなく歌うことができます。(生演奏は収録したものなので当然劣化します)
声の返りが良い
DAMと比べ、JOYSOUNDはマイクからスピーカーにかけての声の通りがとても良いです。
マイク音量をそこまで上げなくとも耳にダイレクトに自分の声が入ってくるのでとても気持ちよく歌うことができます。
2017年発売のJOYSOUND MAX2からカラオケにハイレゾを採用しており、マイクからの応答性が良くなり、従来より遅延がない状態で声が返ってくるようになっています。
歌う以外のコンテンツや機能が豊富
最新機種のJOYSOUND X1ではX PARKと呼ばれるコンテンツを使い、離れた場所でもカラオケを楽しむことができるようになるほか、ファンミーティング機能も搭載されます。
ZoomやTeamsといった機能がカラオケ機器に搭載されたといえばわかりやすいでしょうか。
一部機種ではみるハコというコンテンツを使用することができ、アーティストのミュージックビデオやライブ映像を見ることができます。歌い疲れたら休憩がてら見るのも良いかと思います。
また、一部の店舗ではセッションボックス機器が設置されており、ギターなどをカラオケボックスに持ち込んでカラオケ機器へ接続することができます。
チューニングも出来ますし、エフェクトもいくつか用意されているほか、ギターコードやギター採点も可能となっています。
自分の楽曲を無料で配信できる
うたスキミュージックポストという機能を使えば自身で作成した楽曲を専用のPCソフトからアップロードする事が可能です。
採点ゲームができなかったり、定期的な更新が必要(更新しないと一定期間で曲が消える)だったりと不便な点もありますが、一般的なカラオケへの入曲は数十万すると考えると気軽に利用できるよいサービスだと感じます。
著作権的にどうなのか?という部分ではありますが、Youtuberが動画で歌っていた曲を誰かが制作、配信して歌える状況になっていたりする事例もあります。
※一例
この動画で取り上げられている曲も全てこの「うたスキミュージックポスト」を使ったサービスです。
JOYSOUNDのイマイチポイント
映像コンテンツに弱い
有名な楽曲に関しては本人映像が付いているものが多いですが、少しズレると映像がないことが多い上に、アニメ映像に関しては正直DAMとは勝負になっていません。
採点ゲームの精度があまり高くない
DAMに対抗してなのか数年前に分析採点AIとやらを出しましたが、DAMと違い棒読み歌唱でもかなりの高得点が出たり、AIボーナス点が毎回ほぼ同じ、ビブラートをするだけでAIボーナスが大量に加点されるなどAIを謳うには非常にお粗末な出来でした。
採点中の画面や採点結果画面のレイアウトも以前の分析採点と変わりませんでした。
分析採点AIに文句を言う記事
よく「JOYSOUNDはガイドメロディーが間違っているやつが多い」というのを耳にしますが、私も実際JOYSOUNDの採点ゲームで遊んでいるときにそう感じる曲が何曲もあります。
採点が悪いというよりも、基準にしているガイドメロディーの精度が低いと言ったほうが正確かもしれません。
バックコーラスが爆音
リモコンからオフにできるのですが、爆音でハモってくるのでバックコーラスにつられやすいです。せっかく歌いやすいのにここが非常に残念。個人的にはハモるバックコーラスよりもコールがあるような曲にコーラスを沢山入れてほしいですね。
その他の特徴(JOYSOUND)
- ガイドメロディーの音が大きい(曖昧な曲でも歌いやすい)
- オートボーカルエフェクトに対応
- スマホの動画をカラオケ画面に映せる
- サビだけ歌える「サビカラ」に対応(一部曲)
- シンセサイザーを使ったボーカルアシストに対応
- マクロス、ラブライブ系列のアニメ映像に強い
- 音は比較的フラット(音質も柔らかめ)
JOYSOUNDの歴代機種
まとめ
前回の記事と丸コピですが、こんな表を作ってみました。
歌う部分にかなり力を入れているDAMと
歌う以外のコンテンツにかなり力を入れているJOYSOUNDで大きく異なりますよね。
DAMがオススメな人
- 本人映像やアニメ映像を重要視する人
- 採点ゲームに強いこだわりがある人
- ドンシャリが好みの人
JOYSOUNDがオススメな人
- 歌いやすさを重要視する人
- ボカロ曲をよく歌う人
- 歌の練習をしたい人
歌うジャンルやアーティストによってですが、大体はこんな認識でよろしいかと思います。
最近の両社の個人的なイメージですが、
新サービスや新機能よりカラオケ部分の強化を図っているDAM
色々な機能を増やして歌う以外の価値を提供しているJOYSOUND
って感じです。
カラオケに行く際は是非参考にしてください。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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